日本の地方自治体公務員のキャリアの在り方や少子化について書いたところ、「イギリスでは実際のところどういう風になっているのか?」という質問があったので、それについて私自身の例をお話しします。少し古い話になりますが、新卒からのキャリアスタート、自治体間での転職、出産育児休暇取得からフレキシブルワーク制度を利用しての職場復帰までの体験談となります。
イギリス都市計画
まちづくりにおける市民参加:神宮外苑開発再考
2月に神宮外苑開発についての記事を書きましたが、今回は開発案そのものの是非とは別に、日本の都市計画制度における大きな問題点について述べます。神宮外苑の例で明らかになったのは、首都の重要な地域での大規模な開発について、一般民が知らないままにことが進んでいくということです。神宮外苑の再開発案について最近になって初めて知ったという人が多いのが、それを物語っています。このようなことにならないためにどうすればいいのか、市民参加のまちづくりという観点でイギリスから学ぶところがあるはずです。
人が作る建物や町が人や社会をかたちづくる
「我々は建物を形作り、その後、建物が我々を形作る」というチャーチルの言葉と民主主義との関係について書いた話の続き。今回は個々の建物ではなく、人間が作る街の形によっても私たち自身の生活や社会が形作られるという話です。
リチャード・ロジャースの都市ルネッサンス政策
イギリスの有名建築家リチャード・ロジャースが88歳で亡くなりました。ロジャースといえば、ポンピドゥーセンターやロイズビルディングなど、前衛的な大規模作品が有名ですが、イギリスでは「アーバンルネッサンス」を提唱し、都市計画政策においても大きな影響を与えました。
世界遺産登録を抹消されたリヴァプール再訪
2021年7月にイギリスのリヴァプールがユネスコ世界遺産登録から抹消されることが決まりました。リヴァプールにはしばらく行っていなかったので、世界遺産登録エリアがどうなっているのか気になり、久しぶりに再訪することにしました。その日は10月9日ですが、これは何の日か知っていますか?(答えは最後に)
英国ヘリテージ・オープン・デイのガイドツアー
イギリスのヘリテージ・オープン・デーズ(Heritage Open Days)は各地にある歴史ある建物や屋外空間など、普段は公開されていないところを一般公開する活動です。このガイドツアーに参加してきたので、その様子を紹介します。
五輪と都市計画:2012年ロンドンオリンピック
東京五輪大会が1年延期のうえ、8月8日に閉会しました。コロナによる混乱はなかったとはいえ、これまでも五輪大会では様々な問題がつきものでした。その中でも五輪という一大イヴェントが終わった後、都市はどうなるのかという「レガシー」について2012年ロンドン五輪を主に振り返ってみます。
リヴァプールが世界遺産登録を抹消される
イギリスのリヴァプールがユネスコ世界遺産登録から抹消されることが決まりました。世界遺産区域内の再開発が歴史的な景観を損なっているという理由です。どういう経緯で抹消されることになったのでしょうか。
イギリスの都市計画法改案で与党保守党が苦戦
先日、英バッキンガムシャーのある街でおこなわれた地方選挙結果が大きな話題になりました。保守党が盤石な地域で圧倒的に有利だと思われていたのに、野党の自由民主党候補が勝ったからです。その背景には保守党が導入しようとしている都市計画改革案があると言われています。
イギリス都市計画法106条開発義務(Planning Obligation)
イギリスの都市計画法には、「Planning Obligation」という、開発者がコミュニティに対して負う義務が定められています。「セクション106 Agreement」とも呼ばれる、この取り決めについて、近所にできた散歩道を例にしてお話しします。
最近のコメント