その他

イギリス社会の分断:「どこでも族」と「ここだけ族」

Geese

‘The Road to Somewhere’「どこかへの道」という日本語未訳の本があります。2016年にイギリスのジャーナリスト・作家であるデイヴィッド・グッドハート(David Goodhart)が出版したものです。イギリスEU離脱国民投票で多くの予想に反してBrexit派が勝利した後に出た本で、Brexit派勝利の理由は何かと探っていた人たちの間で話題にもなりました。

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イギリスのロックダウンNo.2の様子とこれからの展望

Mask Banksy

私の住むイングランドでは11月5日からコロナによるロックダウンNo.2に突入して1週間がたちました。12月2日までの4週間、原則として「ステイホーム」の毎日が続くのは、春のロックダウンに次いで2度目。その時とはかなり異なるイギリスのロックダウンNo.2の様子を報告します。

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コロナはいつ終わる?緊急事態宣言が出た日本とロックダウン中のイギリス

Stay Home

日本でも新型コロナウイルスの感染により、東京など7都道府県を対象に緊急事態宣言が出ました。一足先に感染者と死者数が恐ろしいほど増加しているイギリスの様子について今の状況を報告します。イギリスで導入された準ロックダウン(都市封鎖)とはどういうものなのか、イギリス人はその対策に対してどのように対応しているのか現地からお伝えします。さらに、今日はこの状況が一体いつまで続くのかについても、専門家ではないながら私なりの知見を紹介します。そして、そのあとで日本がこれからどうなるのかについても考えてみます。

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アフターコロナのイギリス社会:3人の英首相スピーチ(ジョンソン、サッチャー、チャーチル)

Boris Johnson

イギリスではジョンソン首相が新型コロナウイルスに感染しましたが、隔離中にビデオで国民に送ったメッセージで彼が語った’There really is such a thing as society.’ という言葉が印象的でした。これはかつて「鉄の女」と言われた前サッチャー首相が言った言葉のもじりなのですが、ご存じない人もいるかもしれないので説明します。

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コロナ経済対策を欧米諸国の事例から学ぶ:景気 vs 雇用・貧困

Closed down

新型コロナウイルス感染が広がるヨーロッパでは、感染拡大を抑えるための外出制限や社会隔離政策のため、通常の業務ができず経済的に困窮している企業や労働者がたくさん出ています。カフェやレストランなどの飲食店、タクシーや交通公共機関スタッフ、店舗の店員、エンターテイメント業界で働くアーティストなど、のきなみ仕事がストップし、収入がゼロになってしまった人も少なくなりません。日本でも行動やイベント自粛が呼びかけられ、宿泊・観光、飲食、エンタメ業界などで困っている人が出てきていると聞きます。日本の場合は「自粛をお願い」すると言われますが、そのための補償はセットになっていないようです。

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準ロックダウン(都市封鎖)になったイギリスの様子から学べること

前回の記事で新型コロナウイルスの影響が出ているイギリスの状況をお知らせしましたが、ちょうどその日にイギリスも「準ロックダウン」というような政策導入が発表されました。 それから1週間たったイギリスの様子を引き続きお知らせします。これまで感染がそこまで広がっていなかった日本でも東京をはじめとして感染者数、特にクラスターが追跡できない感染ケースが増えてきました。このままのペースが続くとヨーロッパのような措置がとられる可能性も出てくるので、参考になるかもしれません。

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通勤時間短縮やリモートワークのためのフレキシブルワーキング

Work

日本の都市部で働く人は長時間労働に加え通勤が負担になっている人がかなりいます。イギリスでは、通勤時間を短縮したり、リモートワークを可能にするためのフレキシブルワークの制度が浸透しています。働く個人に便利な制度であるばかりでなく、通勤による公共交通機関や道路の渋滞緩和、環境負荷の軽減など社会全体に恩恵があることも理解されています。

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