前記事タウンセンターと郊外型大規模ショッピングセンター①で米国と日本における大規模ショッピングセンターについて書きましたが、こちらではこの課題に対するイギリスの取り組みについてご紹介します。イギリスでは郊外型の大規模商業施設を厳しく規制する方針がありますが、それはどうしてでしょうか。そしてその規制をどのように行っているのでしょうか。
都市計画
タウンセンターと郊外型大規模ショッピングセンター①
米国ではおもちゃ販売大手のトイザらス(Toys R Us)が経営破綻を理由に米国内にある店舗をすべて閉鎖するということです。トイザらスと言えば、日本にも進出していますが、これが日本の大規模商業店舗を制限する法律を変えるきっかけになったことをご存知でしょうか。郊外型の大型ショッピングセンターと従来の商店街があるタウンセンターは密接に関係するのですが、それが日本とイギリスでどのように違うのか比べてみました。
タウンスケープ:建築ではなく景観
日本では1軒1軒の建築に興味がある人はいるし、建築家もいい設計をするために日々研鑽重ねていますが、複数の建築群や自然環境で構成される街並みといったものに目を向ける人が多くないようです。「ランドスケープ」というと「風景」ですが、これに人工的な建築物などを加えたものが「タウンスケープ」という概念で、すべての人々が日々目にする景色を好ましいものにするためにおざなりにするべきではない公的な資産といえます。
国家都市計画政策 National Planning Policy Framework更新:メイ首相が住宅不足問題解消についてスピーチ
イングランドで国家都市計画政策 National Planning Policy Frameworkが6年ぶりに更新されることになりました。これについて、2018年3月4日メイ首相がイギリス都市計画会議でスピーチをしました。イギリスでは近年住宅不足問題が懸念となっていますが、メイ首相はこの問題を解決するために都市計画の法律を改正するなどの取り組みをすると言っています。
イギリスにおける産業・雇用地方分散の試み:戦後から1980年代まで
イギリスにはロンドンという大都市があり、経済や産業活動の中心となっていますが、何もかもがロンドンに集中しているわけではありません。ロンドンは国際都市として国際的な金融や貿易の中心としての役割を持ちますが、そうでない企業や組織は地方にも多く存在しています。それは、自然にそうなったのではなく、イギリス政府がそうなるべく法律や制度を整えてきた結果なのです。
イギリスのグリーン・ベルト Green Beltは都市計画の手法
イギリスにおけるグリーン・ベルトは都市計画の手法の一つで、都市の無秩序な拡張(アーバン・スプロール)を阻止する目的で指定された地域です。グリーン・ベルトは1930年代にロンドンに導入され、その後マンチェスター、バーミンガムなど15か所が指定されており、イングランド全土の13%を占めています。
イギリスの都市計画家(Town Planner)という職業
イギリスには都市計画家という職業があり、これは建築家とは別のものです。都市計画家になるには大学の都市計画科で学び経験を積んだうえで国家資格をとらなければなりません。
【地方創生】イギリスの事例:BBCがロンドンから地方へ移転ーBBC North MediaCityUK
イギリスで人口や産業を大都市から地方に拡散するためにさまざまな取り組みがなされていることを書いたところ、たくさんのご意見をいただきました。その中でも、特に詳細を知りたいというご要望が多かったのでBBCの移転について詳しく説明します。
【地方創生】東京一極集中を緩和する方法:イギリスの取り組み例から
日本では数年前に「増田レポート」と言われる「地方消滅」論が唱えられ、地方創生のために東京一極集中を緩和する方法が模索されています。イギリスでも産業革命後の都市過密問題解消のため、ロンドンから人やものを分散させるためのさまざまな試みがおこなわれてきました。
イギリスの都市計画:保存地区 Conservation Area と歴史建造物 Listed Building
イギリスの都市計画について語るのに歴史的重要建築保存のシステムについて触れないことはできません。これには2種類あって、ひとつは1軒ずつの建物を保護するListed Building、もうひとつは建物や空間で構成された地区・地域を保護するConservation Area です。
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