外国人を惹きつける日本の観光資源とは?【地方創生】

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Noto hanto

最近、日本に旅行する外国人が増えてきました。ヨーロッパから日本となるとかなり距離がありますが、近隣の中国、韓国などからの旅行者はもっと多いですね。ヨーロッパの一般人にとっては日本はまだまだ遠い国。旅行といっても普通は短期間しか滞在せず東京、京都、奈良、広島、宮島といったお決まりのコースだけを見ることになってしまいがちです。でも、日本をもっと知っている外国人が口を揃えていうのが「日本の田舎はすばらしい」ということです。

どんな田舎?

私が実際に聞いたのは大体イギリス人ですが、ほかの国から日本へ行った人からも同じような話を聞きます。では、どんな田舎が素晴らしいと思われているのでしょうか。

外国人が「日本の田舎がいい。」というのは特定の場所を指しているのではなく、それぞれの人がたまたま行った地方なので、みんなちがうところです。北海道から九州にいたるまで日本にいくらでもある地方の村、町、島、山、海のことです。

別に日本人にとって特筆に値する場所ではなく、いわゆる観光地でもなく、どこにでもある単なる「田舎」です。もちろんその田舎にお寺や神社があったり古くからの町並みが残っているところがあったらそれはそれで喜ばれますが、そういうものがなくても、ただ「自然」があるというだけでイギリス人には満足のようです。そういう田舎を散歩したり、サイクリングしたり、人によってはバードウォッチングしたり、地元の人の暮らしぶりを観察したりして楽しんだということです。

日本の都会は人や車が多くてごみごみしているだけでなく、公園などの緑が少ないし、氾濫する看板、空中を覆う電線、景観の配慮がないバラバラな建物の乱立といった風景にびっくりしたり幻滅したりする外国人も少なくありません。田舎は経済活動に取り残されたがゆえにまだ伝統的な日本の風景が残っていて、それを見ると別世界かと思ったという感想を聞きました。

観光名所よりただの田舎

日本には行ったことがないというイギリス人を私が日本に連れて行ったとき、初めてなのだからあちこち見せてあげようと思い、ジャパングランドツアーを組みました。東京、日本アルプス、金沢、飛騨高山、白川郷、京都、奈良、広島、宮島といった具合です。

イギリス人なので、都会は程々にして自然がきれいなところも織り込んだつもりだったのですが、この行程をすべて終えたあと、このイギリス人が一番気に入ったのは瀬戸内海沿岸の名もない田舎の村でした。観光地でもなく何もない村で海と山の麓までの距離が2キロくらいしかないところです。「きれいな海はあるし、木々がこんもり茂る山がこんなに近くにあるなんて、こんなところはイギリスにはない。」ということです。そういえばイギリスは平野が多く、スコットランドなどに足をのばさないと山はありません。

私の友人でイギリス人と結婚して何10年にもなる人がいますが、この人は青森出身です。もうご両親も他界されていてごお姉さんが東京住まいなので、夫婦で日本に帰国するときは彼女は東京に帰りたいそうです。でも、イギリス人のご主人が東京はいやだ、青森に行きたいと聞かないのだそうです。バードウォッチングがお好きなご主人で、東北の田舎でずっとバードウォッチングをしていたいとのこと。

他の国際結婚組の日本人妻に聞いてもそういう話をよく聞きます。そもそも東京出身の奥様の場合、ご主人があまり日本に行きたがらないそうです。それに、家族で帰っても実家に全員が泊めてもらうスペースもないためホテル住まいになるため高くつくのでなかなか帰れないと言う人も少なくありません。

日本の田舎は観光資源

日本の普通の田舎というのは英国人観光客(他の国、たとえばドイツやフランスなども)をよぶ観光資源になりうると思います。けれども、なにぶん日本人自体がそう思ってないようなので他の地方から日本人観光客が来ることはありません。それで地元の人は特に宣伝しないためそういう土地は地元の人以外は知らないのがもったいないなと思います。

最近は北海道のニセコや白馬など、スキーができるところで外国人に人気が出ているところがあります。最初、少数の外国人に「発見」されたそういう町は口コミで評判が広がり旅行者や滞在者が増えていっているようですが、まだそういうところは特殊と言えるでしょう。

今はまだ特に観光地として知られていない普通の田舎でも、受け入れ態勢を整え、ブランド化して外国人を呼ぶためのマーケティングをしたらもっと観光収入が入るのではないでしょうか。それに、海外からわざわざ人がくるということで、地元の人の自信や郷土愛につながったり、一般日本人の田舎に対するイメージの改善にもつながるということもあるでしょう。日本人って外国人、特に欧米人の考えをなるほどと見習う習性があるし。

地方創生のためには

最近、私たちも帰国時に家族で日本のあちこちを旅行してきて、改めて日本の地方の美しさを再認識しました。JRは外国人訪問客向けにJRパスというJR路線のほとんどすべてが乗り放題というお得な切符を発売しているので、それを利用して北は新潟から南は鹿児島まで旅行しました。

自然がきれい、空気が澄んでいる、食べ物が新鮮、道が混雑しない、車が少なくて安全、人が親切。それに加えて、すごく僻地に行かない限りは交通の便がそれほど悪くなかったり、コンビニがあったり、温泉もあちこちにあって、車がなくても旅行者にとってけっこう便利だったりすることもわかりました。

そして、それなのに人口が減りつつあるんだろうなと思われる寂しげな村や町をたくさん見ました。能登半島など海岸は美しく、温泉や美味しい料理があるのに、あちこちに空き家があったり、ホテルやレストランがつぶれていたり。「以前は東京などからの観光客が多かったのに最近はさっぱりです。」と街の人が嘆いていました。

実はこういうところこそ、イギリス人をはじめとする外国人が喜ぶところなのです。けれども外国人向けのガイドブックにはそういうところはあまり載っていません。どうやって行ったらいいか、どこに泊まったらいいかなどの情報がないのです。それで日本語がわからず、外国語のガイドブックにしか頼ることのできない外国人はお定まりの観光コースにしか行かないことになってしまいがちです。

また、ホテルや旅館などが昔ながらの画一的なサービスをずっと続けているのももったいないと思いました。2食付きの旅館の場合、朝食はまだしも夕食がお決まりのコースで、メニューから好きなものを選んで食べることができないのは日本食に慣れていない外国人には困りものです。また、お迎えとかお見送りのような、むだな「おもてなし」サービスも不必要に感じます。

海外から日本の田舎へ移住する人も

九州、瀬戸内海、四国、富士山麓と旅し、豊かな自然とゆったりした暮らしぶりを見て感激したあと金沢に向かうために東京に寄ると唖然とします。たくさんの人、ビル、車と排気ガス、ごみごみした景観、緑のない風景、そして何とみんな忙しそうに歩くのでしょう。多くの人が欧米人にウサギ小屋と呼ばれる狭いところに住んで、マスクをかけて満員電車に乗って長時間労働をしているのはどうしてだろうと、イギリス人かぶれした私は怪訝に思うのです。こんなにきれいでゆったりした田舎があるのに、どうしてみんな田舎に住まないのかなと。仕事がないからというのが大きな理由なのでしょうが、今の世の中、パソコンとネット環境さえあれば困らない人も多いと思います。

結局、みんなが都会でそういう暮らしをしているのでそれが当たり前になっているのでしょうね。マスメディアで流れる情報も東京中心で、田舎の人が都会にあこがれるといった設定が多いのは、イギリスと反対です。ロンドンなどの都会でフラット(マンション)暮らしをしている人は田舎の庭付きの家で暮らすのを夢見ていたりします。

さて、東京生まれ東京育ちの友人でイギリス暮らしが長い女性がいますが、イギリス人のご主人が来年定年になるのを機に2人で日本に移住する計画を立てているそうです。彼女もご主人もやっぱり日本の田舎で暮らしたいそう。でも2人とも東京以外をあまり知らないのでどこに住んだらいいのかわからず、色々リサーチをしています。彼女は寒がりなので冬でも比較的暖かいところ、それからご主人は地震が怖いので、なるべく地震が少ないところ。車を運転したくないので交通の便があまり悪くないところと探していて、福岡の郊外あたりにしようかと話していました。福岡空港へは最近ヨーロッパ便も飛んでいるので便利かもしれません。

日本に長期移住となるとビザの関係もあるので、普通の外国人には難しいかもしれませんが、日本人と国際結婚しているカップルや、短期滞在したい人、何らかの仕事があり長期滞在ビザを持っている人などもいるでしょう。最近過疎化が進んでいる地域で地方自治体が都会に住む人をUターン、Iターンとかで移住してくるようにいろいろ宣伝をしているようですが、それを外国人にまで広げ、英語で情報を発信したり、積極的にマーケティングしたりする努力をしてみてもいいかもしれません。

 

【動画】外国人をひきつける日本の観光資源とは?

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コメント

  1. 佐賀の頑固おやじ より:

    まだ特に観光地として知られていない普通の田舎でも、外国人を呼ぶためのマーケティングをしたらもっと観光収入が入るのではないでしょうか。との意見ですが、観光客が来るようになり、観光収入を期待するようになると、コツコツと自給自足的な普通の生活をしていた人々の生活を、変化させてしまうことになり、普通の田舎が観光地になってしまう。つまり、急激に普通の田舎ではなくなるのでは。
    そうなると、ここで紹介している外国人は来なくなる。そして、そこは、どこにでもある単なる観光地になり、やがて、他の観光地との観光客の争奪競争になり、結果、みんなから飽きられ衰退をすることにつながるのではないのか。日本中にある、昔繁栄した観光地(商店街も同様だが)で今はさびれつつあるところと同じ運命をたどるような気がする。

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