日本の地方を旅して【外国人旅行者の視点から】航空ルート

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Plane

普段はイギリスに住んでいる私ですが、年末年始の休暇をイギリス人の連れと日本で過ごしました。そこで、イギリスから日本に来た一旅行者として日本の地方に旅行、滞在した感想を書いてみます。まずは航空ルートについて。

イギリスから日本へ

日本では私の母が住んでいる実家のある田舎にイギリス人の連れと滞在しました。家族や友人に会ったり、合間に仕事もしたりしていました。

一時帰国すると東京や他の地方に仕事関係で滞在することも多いのですが、今回は年末年始ということもあり羽田空港を素通りしただけです。2週間ほどずっと地方で過ごし、旅行にも行きました。

訪日客のルート

外国から日本に初めて来る旅行客は東京や京都、それに奈良や広島、宮島といったところを足したいわゆる「ゴールデンルート」をたどることが多いようです。そのため京都などはオーバーツーリズム問題で悲鳴を上げるようになってきいています。

外国人にとっても「静かな古都」といったイメージだった京都に行って驚いたという感想を聞くことがあります。観光名所には人がひしめき、道路は渋滞するし、風情のある寺院も都会風のビルに埋もれて風情がないことにがっかりしたというのです。

そんな外国人訪問客も日本という国自体は気にいったと言う人が多く、また行きたい、でも2度目には「オーセンティックな」(ほんものの)日本を見ることができる地方に行きたいが、どこがいいだろうかと聞かれることがあります。

そういう人たちの中には2度、3度と日本を訪問すると、成田や関空から直接北海道や九州に行くようになる人も少なくありません。

訪日客の航空ルート

訪日客の多くは中国や韓国、台湾といった隣国から訪れますが、ヨーロッパからのルートは少し前までは成田空港や関西空港発着が主でした。

日本は「ハブ空港」といった意識が乏しく、国際線と国内線を分けてしまうという航空政策をしてきたために、地方へのアクセスが非常に不便です。

成田空港や関西空港は都心に出るまでが遠いこと、また国内線の飛行機の乗り継ぎが非常に不便なことが問題です。例えば私の場合山口宇部空港に飛ぶ便は羽田からしかありません。

以前は関西空港に飛んで新大阪駅まで移動して新幹線を使っていましたが、帰りの便は朝が多く、関西空港にあるホテルに前泊しなければなりませんでした。

KLMがアムステルダムから福岡空港に飛び始めたときはうれしかったのですが、一度利用できただけでとりやめになりました。今はフィンランド航空が夏期だけ福岡空港に飛んでいますが、市街地に近い福岡空港はスペース上の問題で国際便を大幅に増やすことは難しいようなのが残念です。

ヨーロッパからソウルの仁川空港経由で福岡空港というルートを使ったこともあります。その時はせっかくのハブ空港としての役割を隣国にとられてしまっているという残念な思いをしました。

日本のハブ空港は成田?羽田?

当初は成田空港をハブ空港にするつもりだったのが、そうならなかったということでしょう。つくづく日本という国は長期的な政策づくりが苦手であり、そのおかげで私たちは随分と不便を強いられて来たなと思います。

最近は方向転換をして羽田空港がハブ空港となりそうで、拡張プランも進んでいます。

おかげで最近になって羽田空港に飛ぶヨーロッパからの国際便数が増え、そのまま国内線にに乗り継ぎができて便利になりました。

しかも羽田空港に午前中に着き、出発は深夜に出る便が多いので、地方空港からの移動も同日中にゆっくりできます。

海外からの訪日客、それも東京や大阪ではなく地方に行く人が増えて来たので、ようやく腰が上がったということなのでしょうか。全国各地で行われたラグビーW杯も追い風になったのかもしれません。

とはいえ羽田空港もまだ使い勝手はいいとはいえません。

国際線と国内線ターミナルの乗り換えはシャトルバスですが、今回はシャトルバス移動中に交通渋滞に巻き込まれ、国内線の飛行機に乗り遅れてしまいました。

羽田空港はターミナルの整備も進行中なのでこれから問題点も徐々に解決されていくのでしょう。期待しています。

日本への航空券購入

便利になったといえば、ヨーロッパから日本の地方への航空券購入もそうです。

Expediaなどのオンライン航空券予約サイトでイギリスから日本への航空券を購入する際、以前は地方空港が選ぶオプションがなく、羽田空港から別に国内線航空券を購入しなければなりませんでした。

けれども、去年くらいから羽田経由で日本の地方空港までの国内線も通しで買えるようになったのです。おかげで飛行機遅延の際、乗継便に乗り遅れた場合の心配が少し減りました。

このように海外から日本の地方へ旅行したい人にはいろいろな面で便利になってきました。ここ数十年無視されてきた問題がインバウンド需要やラグビーW杯、東京五輪などの影響で一挙に改善されているようです。

日本の地方空港

そういえば最近、イギリスのニュースサイトで今年の夏、日本航空が無料国内航空券を10万フライト分プレゼントするという記事を見ました。ただし行き先はサプライズだそうで、応募者は4か所与えられる候補地から一つを選ぶということです。

外国人が行こうとも思わなかった、あるいは知らなかった地方へ行く機会を与える企画なのでしょう。

東京や大阪から地方へ行くのもいいのですが、できたら海外から直接地方へ飛べるようになったら理想的ですね。

日本の地方空港は海外発着便を増やす努力をしたら、直接地方を訪れる観光客をよびこめるはずです。

ヨーロッパの地方空港

例えば私達は去年の夏イギリスからトルコにホリデーに行きましたが、南西部にある人気リゾートのアンタルヤ空港にはヨーロッパ各地から直行便がたくさん発着します。

パリやロンドンといった大都市ばかりでなく、マンチェスターやバーミンガム、ブリストルのような地方空港からも直行便が飛び、エーゲ海のリゾートでのホリデー客を多数呼び込んでいるのです。

同様に、一昨年行ったギリシャの小島であるサントリーニ島にもヨーロッパの地方空港から直行便が出ています。リヴァプールやリーズからアテネなどで乗り継ぎをする必要なくそのままリゾート地に行けるので快適です。

あまりに便利すぎて国内旅行をする人が減り、かつて栄えたイギリスのビーチリゾートは衰退の一途をたどっているほどです。

日本でも、近隣諸国だけでなく欧米などからも直接、沖縄や北海道といった外国人にアピールする地方にアクセスできるようになったら、わざわざ東京や大阪に行きたいと思う人はずっと減るでしょう。

外国人のホリデー需要

外国人のホリデー需要というものは大きなドル箱であり、スペインやギリシャ、トルコ、アジアでもタイなどは大きな観光収入を得ています。

日本は日本人自身の旅行の仕方が外国人の中長期滞在型ヴァカンスと違っているため、どのような需要があるのかがよくわかっていない人が多いように見受けます。

このような問題についても日本を旅行する上で感じることが多いのですが、それについては次の記事で。

日本の地方を旅して【外国人旅行者の視点から】観光スタイル:イギリス人がホリデー先として求めるものは?

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