有料化でレジ袋利用が97%減ったイギリス

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日本でレジ袋が有料化されてから2年経ちましたが、効果はどうなっているんでしょうか?一足先の2015年にスーパーマーケットでの使い捨てレジ袋有料化が導入されたイギリスでは、レジ袋の利用枚数が97%減ったという調査結果が発表されました。イギリス人はレジ袋なしで日々の買い物をどうしてるんでしょうか。

イギリスのレジ袋有料化

イングランドではプラスチックごみを減らす試みの一環として2015年、大手スーパー(従業員250人以上)の使い捨てレジ袋1枚につき5ペンスと有料化しました。

英国の他の地域(スコットランド、ウエールズ、北アイルランド)でもレジ袋有料化が実施されています。

2021年にはこの料金を1枚10ペンス(約20円)へ値上げし、対象店舗もすべての小売店へと拡大。それまでに、既にレジ袋を買う人は減っていましたが、この値上げでレジ袋使用削減がかなり加速したそうです。

消費者が払ったレジ袋代の用途については、販売店が決めることができますが、チャリティー活動への寄付が期待されていて、大手スーパーはそろってチャリティー団体などへ寄付しています。

この寄付金は年間約1000万ポンド(約16億円)ですが、2015年には6500万ポンドだったので、寄付金額としては減っているというわけで、寄付金をもらっていたチャリティー団体などは複雑な心境かも?

 

Carrier bag charge sees usage plummet by 97%

使い捨てレジ袋有料化の結果

英国環境・食料・農村地域省(DEFRA)の発表によると使い捨てレジ袋有料化が導入された2015年に比べ、大手スーパーでのレジ袋の利用がイングランドで2021年までに97%減少しました。

イングランドの大手スーパーで使い捨てレジ袋を購入する量は、2014年に一人につき年間24枚だったのが、今は3枚となっています。

使い捨てレジ袋が無料でもらえた時はこの数が1人140枚だったので、その数パーセントにまで激減しているということになります。

使い捨てごみ袋イングランド

この件に限りませんが、イギリスでは何らかの政策を導入した場合、このように結果をデータとして集め、毎年政府サイトに発表します。それで、政策の効果が誰の目に見ても明らかになり、検証がしやすくなっています。

イギリスではレジ袋なしでどうしてる?

では、レジ袋なしでイギリス人はどうやって日々の買い物をしているのでしょうか?

「そういえば」しばらく前まではスーパーで買い物をするたびに、無料でもらえるプラスチック袋について疑問にも思わずたくさん使っていました。そのあとごみ袋とかに再利用することもあったけど、たいていはそのままごみ箱行きでした。

今は買い物に行く時は大きなバッグを持って行くし、出先で急に買い物をする時のためにたためるエコバッグをいつも持っています。

スーパーで大きな買い物をするために車で行く時は、ショッピングカートに入れることができる大きな袋を2~3個持って行って、それに詰めます。

使い捨てではない、何度でも使える丈夫なショッピングバッグや様々なデザインのエコバッグがレジ付近で販売されていて、そういうのを買って使い続ける人もいます。

うっかり袋を持ってくるのを忘れて、使い捨てプラスチックバッグを購入している人はあまり見かけません。

習慣というものは妙なもので、それまで当たり前に思ってきたことが急に変わると、最初は戸惑っていてもそのうち慣れてくるものですね。

日本のレジ袋有料化で利用が半減

日本ではどうなっているのだろうと調べたところ、2020年7月にレジ袋有料化が導入されてから2021年にはレジ袋の量が半減したという調査結果が出ていました。

有料化の影響でスーパーやコンビニでレジ袋を受け取る人が減った結果だと分析されています。

2019年に19万7200トンだったレジ袋の国内流通量は2020年に12万5500トン、2021年に10万400トンへと減少傾向にあります。

スーパーなどの業界団体が発表した調査では、全国のスーパーにおけるレジ袋辞退率は80.26%になっているそうです。日本でもスーパーでは脱レジ袋の取組が進んでいて、有料化前も辞退率が5割程度はあったものの、有料化によってこれが大幅に増加したよう。

とはいえ、最初から買い物に行くとわかってスーパーに出かけるのと、出先でちょっと何か買いたいときとでは状況が違うでしょうから、コンビニなどでどうなっているのか、知りたいものですね。

環境省がレジ袋利用率や流通量など、毎年データを集計してわかりやすい形で定期的に発表し、国民に政策結果を知らせてほしいです。

まとめ

「プラスチックごみを減らしましょう」とかけ声を大きくするだけではなかなか進まなかったことでも、政府が有料化とか禁止とかという、何らかの規制を導入することで政策の効果が大きく変わるということがわかります。

そもそも関心がない人たちだけでなく、「そうした方がいい」とわかっている人でさえも、「これまでそうしてきたから」「便利だから」という理由でレジ袋を使い続けてきたし、私もその一人でした。

こういう政策は政府や自治体が音頭をとってどんどん進めてほしいし、その結果どうなったのかも発表することで、その成果が一般国民にわかるようにすることも大切です。

レジ袋有料化:プラスチックごみを減らすために①

レジ袋有料化と環境問題:世界と日本の比較

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