イギリスの住宅街に遊び場ができたのは?

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New House

近所にあった病院の跡地が住宅地として再開発されていたのですが、どうなっているのかと気になっていました。通り抜け道路に面した住宅はよく見ていたのですが、袋小路になったところには足を踏み入れたことがなかったのです。好奇心に駆られて散歩の途中に寄ってみると、新たな発見が。

病院跡地の住宅開発

イギリスの我が家は市街地に向かう幹線道路から横道に入った住宅街にあって、建物のほとんどが普通の一戸建て住宅です。年代的にはヴィクトリアンの1890~1900年くらいに建てられたものがそのまま残っていることが多いのです。このあたりに同じころ、大きな病院が建てられ、そこで働く医師の家族などが多く住んでいたと聞きました。

この病院は街全体の病院として使われていたのですが、1990年代に少し離れたところに最新設備を備えた大きな新病院が建てられたので、もともとの建物は解体され、今は小さな診療所の機能だけを残し、その跡地は新しく住宅地として再開発されています。

二つの通りの真ん中の敷地なので両方の通りから新しく建てられた住宅が道路に向かって立っています。

Curzon Old house

New Houses

 

イギリスでは住宅を新築する場合も、周辺の景観に合わせてデザインすることが要求されます。

新たに建てられた住宅は、建物の高さや全体の大きさ、街路に面するデザインなど景観に溶け込むように設計され違和感がありません。ヴィクトリアン住宅は天井が高くゆったりとした間取りなので、それよりは小さめにデザインされているようですが、外観は何となく古い建物とあまり変わらない印象です。

一つだけ違うのは、庭が小さいことです。この地域の住宅地はもともとの敷地が大きく、裏庭の長さが50メートルくらいあります。通り二つ分の敷地ですが、通りから入ったところに小道をつけて、もう一列新築住宅を建てることができ、高層にすることなく敷地面積当たりの住戸数を2倍近くにしています。この小道は通り抜けができないので、中に入ってみたことがなかったのですが、どんな感じになっているのだろうと好奇心がわいたので散歩の途中に歩いて行ってみました。

袋小路

袋小路の遊び場

すると、静かなカルデサック(袋小路)を伝統的なデザインの家が囲んでいて、その真ん中に小さな芝生エリアがあって遊び場ができていました。

見晴台のようなものや滑り台などの遊具が少しあるだけですが、10歳くらいの女の子が3人だけで楽しそうに遊んでいます。

Play Area

 

イギリスでは子供が学校に行くのも大人が必ず連れて行かなければならない決まりがあって、外で子供が大人の付き添いなしで遊ぶなどすると通報されるようなお国柄です。でも、この3人を見ている大人は見当たりません。

私のような「よそ者」が足を踏み入れることなどほとんどないところにあるので、こういうことができるのだとうらましくもありました。この遊び場と少し離れたところにもまた小さな遊び場があってそこにも違う遊具が備え付けてあります。住宅を建てて余った土地を公共の広場として開放したということなのでしょう。使う人は近所の子供たちだけでしょうが、誰でも使えるようになっています。

もしかすると、住宅開発の都市計画申請をする時の条件としてコミュニティに寄与するために造られたものかもしれません。イギリスの都市計画法では、「Planning Obligation」という、開発者がコミュニティに対して負う義務が定められています。

「セクション106 Agreement」とも呼ばれる取り決めについては散歩道を例にした記事で説明しました。

https://globalpea.com/s106

コロナ後の日常

仲間同士で楽しそうに遊ぶ子供たちを見てうれしくなったのは、新型コロナウイルスによる長いロックダウンで、公園や広場で遊ぶ子供たちを見ることが1~2年間、なくなってしまっていたからです。今年になってやっと通常通りに戻ってきて、子供たちが外で無邪気に遊ぶ本来の風景を見ることができるようになりました。

思えばこの年齢の子供たちが2年間の間行動を規制され、時には休校となり、友達にも会えず、公園や広場でも遊べなかった時期があったのは、精神的・社会的な成長においてかなりの悪影響を与えたのではないかと思います。

イギリスの過ごしやすい夏の日に外で楽しそうに遊ぶ子供たちを見てこちらまで幸せな気持ちになりました。

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